46回目の呼吸

乃木坂46と刀ミュが好きな人

ケンとカズを見ました 感想です

 

ブロマンス。

古くはお耽美趣味にも相通ずる存在。

 

 

今日見た映画の、ざっとした感想。

あまりアテにはならないし感想が下手です。

そして腐女子節が散見されますが、ご了承を。

ネタバレに注意。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

邦画。

ケンとカズと言う作品。

 

小さなヤクザの傘下でシャブを売って生計を立てるチンピラの2人。

それがケンとカズ。

タイトル。

久しぶりに割と真面目に映画を見た。

役者さん達はケンの学生時分からの先輩と先輩の腰巾着みたいな人は割と見掛ける役者さんなんだけど、他の人はみんな知らない人だった。

だけど著名な役者さんばかりの映画よりリアルだったし、悪く言うと棒くさい、良く言うと演技臭さがしない演技がヤケに馴染んで、たぶんどこかで2人のような暮らしをしている人がいるんだろうなって思った。

私はいわゆる陰キャなんで2人のようなタイプの人間が怖くて近付けない避けて通る人だから、2人の顛末を自業自得だと見放しながら、でもかわいそうだなって思って見ていた。

 

さて冒頭触れたブロマンスについて。

ラストシーン、ケンはカズを助ける為に命を失います。

そしてケンを亡くし、周りにいた人々を全て失ったカズはケンの彼女にケンが死んだと伝えに行きます。

ちゃんとした父親になるよと彼女と彼女のお腹の中にいる命に約束しながら、カズから逃げられずずるずるとシャブ売りに埋没していくケン。

その心中を察してか、はたまたケンに指摘された自分の弱さに素直になったからか、敵に不義密通してまでシャブを売って成り上がってやろうとしていたカズは、敵に今回は仕事を辞めたいと告げました。けれどそれは叶わず、不義密通していた事までバレてラストのカズ以外全滅のシーンに続きます。

ケンに依存し、カズに依存し生きてきた2人。

けれどその所為で遂に今生の離れ離れになってしまう。

ケンはカズに優し過ぎてお兄さんの様な視線で見ていたのか、アニキと慕う子には明確に兄として接していたのでしょうが、それはカズに対してもあった様に見えました。

けれど一方カズは違っていた様に見えた。

カズには彼女となる人の明示が無く、敵に勇猛果敢に挑戦しながらも母親や姉?の存在は弱点で、弱さを吐き出せる存在がいなかった。

周りから断絶され一人ぼっちのようだった。そんな中で唯一繋がりを感じていたのは、繋がりが有ったのはケンだけだった。

全身で彼女に求める愛情と親に求める愛情と友達に求める愛情を捧げ欲しがっていたのは、ケンにだけだった様に思う。

ラストシーンでケンはもう居ないのに何時もケンの定位置だった助手席に、ケンの面影を感じたカズが、それまで眉間に皺を寄せて怖い顔して必死だったのに、不器用に顔をくしゃっとして涙を浮かべていたシーンで果てしないブロマンス臭を、カズにはケンが全てだったと言う悲しみを萌えながら私は感じて前のめりになってしまいました。

あんな複雑怪奇でとんでもない切ない萌え美ある表情が出来るのは、カズ役の役者さんだけだって断言出来ます。

そしてそのシーンで初めてカズは感情を現したのです。

BLには無い良さです。

友情なのか愛情なのか分からない、微妙なごちゃ混ぜの感情。

友情もまた愛情なんでしょう。

BLとしてしまえばはっきりと線引きされてしまいます。全てがそうだからでしょと言われてしまいます。全て、でもどうせそうなんでしょと言われてしまいます。

けれどブロマンス、耽美にはその線引きじゃ出来ない曖昧で微妙なモノがあります。

だから素晴らしいのです。

どちらにも振り切れる、けれど振り切らない。

私はそれがブロマンスや耽美の素晴らしさだと思います。曖昧であるとは、素晴らしい。

見る人により主観が異なって行き、それは固定じゃなく変化していく。

何度でも味わえる良さ。

そんなモノを、ケンとカズと言う作品には感じました。

 

これは個人的なイメージですが、この作品の一番最初のシーンを見てパッと思い付いたのは、北野ブルー。

キッズリターンなんかもケンとカズに通じる部分が有ると思います。どっちも好き。

 

そんな感想。